超訳 「賽は投げられた」の始まり(大阪弁バージョン)

共和制ローマは、本土と北方の属領ガリア・キサルピナをルビコン川で分けていました。ルビコン川はローマの防衛線であったため、軍団を率いてルビコン川以南へ向かうことはローマに対する反逆であり宣戦布告とみなされました。

カエサル「クリスマスやな」
ブルトゥス「なんやねん、いきなり」
カエ「サンタはおるんかな」
ブル「そら、居らはるやろ」
カエ「なんでそう思う?」
ブル「プレゼント来るやろ」
カエ「いや、オレ知ってんねん」
ブル「なにをやねん」
カエ「そのプレゼント、誰が持ってくるのか」
ブル「見たんかい」
カエ「ショックやった」
ブル「…。そら、ショックやろな」
カエ「ポンペイウスやった」
ブル「ええ? 親とちゃうんかい」
カエ「まさかポンペイウスとは思わなんだ…」
ブル「カエサル、ポンペイウス、亡くなったクラッススゆうたら、”オレら三院体制や”ゆうてたやん。仲ええんやろ」
カエ「それがオレ、最近ポンさんと話してへんねん」
ブル「なんでや」
カエ「ポンさん、オレの娘と結婚したやん」
ブル「うん…。」
カエ「それでまあ、産褥ゆうんかな、亡くなってしもて」
ブル「ユリアちゃん、残念やったな」
カエ「まあ、それはしゃあない。せやけどな、そしたらポンさん、今度はスキピオの娘と結婚しよってん」
ブル「それはないわー。スキピオ、保守派やん」
カエ「そやろ。政略婚やん。クラッススが死んでから、ポンさんおかしなってん」
ブル「それで、ポンさんローマへ行ったんやな」
カエ「それやがな」
ブル「どないしてん」
カエ「やっぱりポンさんと話さなあかんと思て、何べんも何べんも、いろいろ言うていってん」
ブル「うん」
カエ「せやけど、ポンさん全然聞いてくれへんねん」
ブル「うんうん」
カエ「スタンスゆうんかな。立ち位置も、ポンさんもう完全に元老院サイドやしな」
ブル「お前、革新派やから合わへんわな。ポンさん、なにがあったんや」
カエ「もともとああいう人や。それでな…」
ブル「なんやねん」
カエ「オレ、ローマに行こうと思うねん」
ブル「ポンさん向こうサイドやし、お前逆賊やんか。ヤバいんとちゃうんか。丸腰でか?」
カエ「いや、戦いの準備はしていくつもりや」
ブル「本気か?」
カエ「あたりまえや。やるかやられるかやと思てる。せやけどやらなあかん」
ブル「ローマゆうたら、ルビコン川の向こうやがな」
カエ「そうやな」
ブル「ルビコン川を渡る時には、武器を持ってたらあかんゆう決まりやぞ」
カエ「知ってる」
ブル「それでも行くんか」
カエ「いかなあかんねん」
ブル「どっちが勝つか、わからへんぞ」
カエ「そうや。バクチみたいなもんや。せやけど、もう賽は投げられたんや」

※後日談。カエサルは、それから4年間戦い続けてローマを制しました。

上の読み解きは、元老院派のブルトゥスが改革派のカエサル(英語読みではシーザー)と親しく話しているなど、ストーリー展開の都合で事実関係が混乱しています。誰かに話しちゃダメですよ。

超訳 「馬鹿」の語源(大阪弁バージョン)

秦の始皇帝は自身の後継者を遺書で示しました。
始皇帝の側近で、実質的権力者であった宦官の趙高は、この遺書をこっそり書き換えて、始皇帝の死後、自分が操りやすい新皇帝を据えることに成功しました。
この時、趙高の気がかりは、部下が自分に従うかどうかでした。

新皇帝「みんな集まってるかな。そうしたら、趙高、会議をはじめてくれるかな」
趙高 「御門、その前にご覧いただきたいものがございます。それ、こちらへ」
新皇帝「なになに」
趙高 「馬にございます」
(ぴぃー)
新皇帝「こ、これが馬? ぴぃーって鳴いてるやん。鹿とちゃうか」
趙高 「いや、馬です。鹿に見えても、馬」
新皇帝「そんならこの立派なツノはなんや。違和感ハンパないんやけど」
趙高 「タテガミとちゃいますか」
新皇帝「こんなタテガミがあるかいな」
趙高 「たぶん路上暮らしが長かったんですやろ」
新皇帝「風呂に入られへんかったから固まってるっちゅうわけか」
趙高 「そのようなことかと」
新皇帝「そんなアホな。ほら、煎餅あげたら食べてるし」
趙高 「馬煎餅ですな」
新皇帝「そんなんあるかいな」
趙高 「この春、新発売です。今ならもう一袋プレゼント」
新皇帝「それはええねん。オレには鹿に見えるけどなあ」
趙高 「ほんなら、私の部下に聞いてみましょか。李氏、これは馬か?」
李氏 「(趙のおっさん怖いからなあ)馬ですっ!」
趙高 「その通りっ! 次、王氏は?」
王氏 「馬、かと。(おっさん、怖っわー)」
趙高 「よしっ! 次、張氏っ」
張氏 「(無難にいこか)馬やと思います」
趙高 「あ? 思いますってなんや? よう聞こえへんかったなぁ」
張氏 「いや、馬に決まってますっ(やばいやばい)」
趙高 「そのとおり、これは馬やなあ。劉氏はどうや、これ何に見える?」
劉氏 「(居眠りしてた。え、なんやろ?)あ、はい。鹿です」
趙高 「え、なんやて?」
劉氏 「その動物は、鹿です。(もっと丁寧に答えたらええんかな)立派な雄の鹿」
趙高 「……。劉氏、もう1回聞くけど、これはなんや?」
劉氏 「鹿です(これが鹿でなかったらなんやねん)」
趙高 「ほう、これが鹿と…。コラ、お前。いまさら吐いたツバ飲み込むなよ!」
李氏、王氏、張氏(趙のおっさん、めっちゃいきり立ってるやん)
劉氏 (怒ってるなぁ。なんでやろ)
趙高 「陳氏はどうや、ああっ?」
陳氏 「馬です、馬。絶対に馬(口が裂けても鹿とは言われへん雰囲気や)」
趙高 「さて、御門。お聞きのように、有識者調査の結果、これは馬に決まりました」
新皇帝「ほんまかいな。ひとり”鹿”ゆうたヤツおったやん」
趙高 「は? 恐れながら聞き違いでは」
新皇帝「そこにおる劉とか言う、あれ、そこにおったのに…」
趙高 「いえ、劉などという者は私の元におりませんが」
李氏、王氏、張氏、陳氏(さっき、頭から袋かぶせられて連れていかれたやん)

秦の時代、宦官の趙高が、皇帝に「馬」と言って鹿を献上しました。当然、皇帝はこれを「鹿」だと言いました。
これは、実は趙高が、自分に従う者と、皇帝に従う者を区別するために仕掛けた計略でした。

部下には、趙高の言い分に従って「馬」と答えた者と、皇帝の言うとおり「鹿」と答えた者がいました。
趙高は、自分に従わず「鹿」と言った者を殺してしまいました。

このことから、権力によって無理を通すことや、これに従うことを「馬鹿」というようになりました。

※「馬鹿」の語源は諸説あります。上の超訳はそのひとつ「史記」を参考に書き起こしたしたものです。
このエントリを書くために調べた限りでは、サンスクリット語で「無知・愚か」を意味する”moha”の音を拾った”莫迦”が、転じて「馬鹿」になったという説がもっとも有力なようです。
これと比べて「史記由来説」は少数説に過ぎません。異論がたくさんあります。だから、誰かに話しちゃダメですよ。

 

超訳 人間万事塞翁が馬(大阪弁バージョン)

漢の時代、北辺のとりで近くに住んでいた翁は馬を飼っていました。
馬は駄馬でしたが翁はたいそう可愛がっており、馬も翁を信頼しているように見えました。

ところがある日、馬は遠くの湖の方へ逃げてしまいました。
翁「なんでやねん〜(泣)」

しばらくして、駄馬は戻って来ました。
翁「おお、帰ってきたんか。ええ子や。おや?」

見ると駄馬はひとりで戻って来たのではなく、精悍な駿馬を連れているではありませんか。
爺「これはどないしたんや。うん、ええ子やええ子や」

やがて、この駿馬に爺の孫が乗るようになりました。駿馬は孫の言うことをよく聞き、孫はどんどん上手になりました。ところが…。

孫「痛い痛い!」
爺「どないしたんや」
孫「馬から落ちて落馬した〜」
爺「あ、骨が折れてるやないか」
爺「痛い痛い!」
爺「駿馬さえおらへんかったらこんなことにならへんかったのに」
爺は嘆きました。

そんなある日、門前に憲兵がやって来ました。
憲兵「あー、ごめん」
爺「なんですの?」
憲兵「おたくの孫だが、本来只今から兵隊に行ってもらうところ、骨折しているため免除になった」
爺「え、兵隊ゆうたらあの誰も生きて帰られへんゆう、あの戦争の?」
憲兵「という次第なのでよろしく」

憲兵が帰った後、爺は思いました。
爺「駄馬が逃げたときは、不幸やと思うたけど、駿馬を連れて帰ってきて幸せやった。その駿馬から孫が落ちて骨折したときは不幸やと思うたけど、そのおかげで兵隊に行かんでもようなった。不幸やと思ったらそれが幸せの種にもなるんやなあ」

事実関係は若干混乱していますが、劉安作「人間万事塞翁が馬」の読み解きでした。誰かに話しちゃダメですよ。

洋食のエース メニューA「ハンバーグとトンカツ」

日曜日のお昼過ぎ、前から気になっていたお店に行ってきました。
「洋食のエース」です。神戸三宮センタープラザ西館B1Fにあります。
お店はカウンターだけで12席(ぐらいだと思います。数えるのを忘れました)です。
店の前でカップルがひと組待っていましたが、すぐに案内されました。

お店の前にメニューは9つほどです。
初めての店では、メニューの先頭にあるものをお願いすることにしています。
理屈はいろいろとあるんですが、ここでは言いません(笑)。

お願いしたのは、タイトルにもあるとおり、メニューA「ハンバーグとトンカツ」です。ライスが付いています。
着席して、注文したら前金で支払います。850円でした。

食事はすぐに出てきます。
ハンバーグは普通サイズ、トンカツは4片です。これに濃い茶色のソースがかかっています。
ハンバーグは流行り(?)の煮込み風ではなく、しっかりとしたクラシックタイプです。お箸で切り分けると絶妙に肉汁が滲みます。
トンカツは衣がカリッとして噛むと中から脂の旨味がじゅー、これにそのソースが絡んでいやもうそれがこれこれ。もうなんちゅうもんを食べさせてくれたんや…(©京都の京極さん)な素晴らしさです。

付け合わせのスパゲティとキャベツもいい感じで箸休めになっています。つまり、最後まで緩むことがありません。
インターネットでみると結構な評判になっているようです。それもうなずけます。

いや、おいしかった。これはもう一度、いや二度も三度も来るでしょう。
今度はメニューB「ハンバーグとエビフライ」にしようと思います。

帰るとき、席を立って後ろをみると店の前に7人並んでいました。増えています。
なので、とりあえずこれは書いておかないといけません。
おすすめです。ですが、土・日曜日はお急ぎで無い時に、ぜひ。

テキストのコピーはできません。