本当に「誰でもよかった」事案

一昨年の事件でやや旧聞に属しますが、どうした拍子か思い出したのでメモを書きます。

***記事ここから
<傷害事件>相手が悪かった!勝ノ浦親方殴打の男逮捕 福岡
14日午後1時半ごろ、福岡市博多区築港本町の福岡国際センター西側の歩道を歩いていた勝ノ浦親方(38)=元北勝鬨=に、自称・山口県下関市向洋町、無職、大野高穂容疑者(34)が殴りかかった。
親方は大野容疑者を取り押さえ、福岡県警臨港署に引き渡した。同署は傷害事件として調べている。

調べによると、大野容疑者は、目の前を歩いて通り過ぎた親方にいきなり襲いかかり、顔を殴って右ほおや唇に全治3日のけがを負わせた疑い。
親方はこの日、大相撲九州場所の交通整理をする係員に指示を出し終え、同センターに戻る途中だった。
殴りかかられ、とっさに大野容疑者を右腕で“ヘッドロック”して取り押さえ、駆けつけた警察官に引き渡した

大野容疑者は「むしゃくしゃしていたのでやった。誰でもよかった」と話しているという。

大野容疑者は身長170センチ程度で中肉。親方は現役当時、身長183センチ、体重158キロの体格。
***記事ここまで

事件はけしからんことですが、記者は読者が知りたいことをちゃんと書いてくれています。体格差です。
個人的にツボだったのは「誰でもよかった」のくだりです。その前に「(自分より強いヤツなら)誰でもよかった」とか、勝手に加えて笑ってしまいました。不謹慎ですみません。


勝ノ浦親方

マスクをするべきか問題(8月になって考えたこと)

新型コロナウイルス感染症が5類に変更され、マスク着用も個人の判断に委ねられることになっています。それでもしばらくの間は、ほとんどの人がマスクを着けていました。
ところが、通勤途中などに市中の様子を見ていると、7月下旬になって急にマスクを着けている人が減ったように見えます。

よく言われることですが、新型コロナウイルスの性質そのものはオミクロン株以降本質的には変わっていません。本来であれば、マスクを着けるかどうかは、感染リスクの高低を軸に、各自がそれぞれ総合的に判断すべきものだと思います。
一方で、感染症にかかるリスクはワクチン接種の普及などによって相対的にこれまでより低くなっているという見方もあります。
しかし、着けていない人に対して筆者が「独自の有識者調査(知り合いに聞く)」を実施し理由を聞いたところ、大方は「暑くて着けてらんねー」でした。
いいのか、みんな。

ところで、ここにきてマスクを着ける意味が少し変わってきているようにも感じます。
というのも、まだ感染が収まっていない時には、感染予防と拡大を防止するという本来の意味で使われていたのが、いまでは周りを不安にしないため、といった「配慮」の部分が大きくなっているように思うからです。

私は比較的感染によるリスクが高い方もおられる環境で働いていますので、今のところ、それよりは本来の目的に近い理由でマスクを着けています。
はやくこの状況が終わって、みんなで笑いあえる日がくるといいですね。

 

台風6号で思い出したこと(復路欠航)

「大型で非常に強い」とされる台風6号が沖縄近海に停滞しています。
沖縄で台風、と聞いて個人的に思い出すのは、もう何年も前、2泊3日で沖縄に出張した帰りに飛行機が欠航した時のことです。

私が乗る予定の飛行機は、飛ぶか飛ばないかぎりぎりまで判断を保留し結局飛びませんでした。そうなると、搭乗者としては次善策を取らなければなりません。
さいわいに、その時は無理やり帰る必要はなかったので、優先順位は「ホテル確保」「代替便の座席予約」でした。すぐに前日まで泊っていてチェックアウトしたばかりのホテルに連絡を入れて、無事泊ることができました。これでひと安心です。
この後、那覇空を出発する飛行機はすべて欠航しました。
幸いにも私は動くのが早かったので、翌日午後の便にうまく振り替えることができました。

もしこれが「直後に予定があってなにがなんでも帰らなければいけない」というような状態だったら大変なことになるところでした。
窓の外は暴風雨でしたが、その夜は、同じ会議に出ていて帰ることができなくなった遠方の友人と、南国のホテルのラウンジで久しぶりに楽しくおしゃべりして過ごしました。

今回の台風による被害が無いことをお祈りします。

散髪しました。

散髪屋さんに来ました。いつもの1,000円のところです。この店は、この価格帯のリーディングカンパニーで、個人経営のところと違って、切ってくれる人の当たりはずれが少ないので気に入っています。

店はやや混んでいます。この店は、店前に赤黄緑のサイン灯があって待ち時間を教えてくれる仕組みになっています。店に入るときランプを見たら赤色でした。店内には先客が5人いました。
スタッフは谷〇さんを入れて2人です。20分ほどで順番が回ってきそうです。
店に入って自販機で利用券を買います。かつて、この店の券売機は1,000円札しか使えずおつりも出ませんでした。最近は10,000円札も使えて、当然おつりも出てきます。地味に進化しています。私はこういう作り込みに気づくとうれしくなる方です。

順番を数えると、今日も前回と同じbarberさんに当たりそうです。そう「谷〇」さんです。前回も書いたように5つ★の人です。いま、ちょうど前の人をカットしています。ハサミの音がリズミカルです。期待できます。いや、期待してますよ谷〇さん。

鏡の前に案内されます。読んだ通り谷〇さんに当たりました。
利用券を渡します。眼鏡を預けて、席に座ると、谷〇さんが名乗ります。
「今日担当させていただく谷〇です」
はいはい、知ってますよ。お世話になるのは4回目です。よろしくお願いします。とは言いませんでした。軽く会釈します。

「今日はどうしますか」
―1か月分ぐらい切ってください。あとはお任せします。
「わかりました」

おお。前回は、
「横は刈り上げますか」
―お願いします。できればバリカンでなくハサミで。
というやり取りがあったのですが、谷〇さん、今回はなにも言わずにハサミを持ちました。
もしかして憶えている? あるいは今の状態を見るだけでわかるのか、いずれにしても、ちょっとうれしい驚きです。あれから何千人とカットしているだろうに(?)すごいぞ谷〇さん。

手順は前回と同じです。右サイドから時計回りに切っていきます。後頭部を回って左までスソを刈っていき、戻りながら真ん中らへんを切っていきます。まったく躊躇がありません。もちろんバリカン云々は無しです。すごい。この後「今回も」申し訳程度に頭頂部にハサミをいれるとメインの工程は終わりです。ここまで一息に済ませます。後は、スキバサミで横と後ろを何回かザクザクして、細かなところをバリカンで整えると完成です。
谷〇さんは、ハサミを置き、まるい鏡を手に取って後ろを見せながら、
「よろしいですか」
と言います。もちろん、よろしいです。

そうそう、珍しいことに今回は谷〇さんに話しかけられました。
「暑いですね」というよくある切り出し方でしたが、なぜかバイク用防寒具の話になったので「大きなバイクに乗っているんですか」と尋ねたら「トライアンフの900です」と返事が返ってきました。
残念ながら、10分間で仕上げる店なのでスピードツインなのかタイガーツインなのかまでは聞けませんでした。
しかし、いずれにせよこれは同好の士、相当な好き者に違いありません。
次回また谷〇さんに当たれば聞いてみたいと思います。

今回も気になったことを書いておきます。
前は、頭頂部ももう少し切ってくれたように思うのですが、最近は上に書いたように申し訳程度にハサミを入れるだけになりました。今日も同じです。そういえば、スキバサミも以前は頭頂部を訪れていたように記憶していますが、最近頭の上にそれが来ることが無くなりました。
いよいよ必要なくなってきたんだろうな、と思っています。

仕上がりは今回も5つ★でした。最後に書くと付けたしのようですね。すみません。

超訳 「マイムマイム」はいかにして広まったか(大阪弁バージョン)

第二次世界大戦の終戦後、荒廃した国土で暮らすわが国の人々は娯楽に飢えていました。それを見たGHQの「民間情報教育局(CIE)」主任教官ウィンフィールド・ニブロは、一計を案じました。

ニブロ「ええこと思いついた!」
ルーチ「なんですの!?」
ニブロ「日本人、焼け野原で暇そうにしてるやん」
ルーチ「暇っちゅうより楽しみがない感じですわな」
ニブロ「そうやろ。それでええこと考えてん。日本人にフォークダンス教えたらどうやろ」
ルーチ「それ、もろニブさんの個人的趣味ですやん。好きやなあ」
ニブロ「それはまあ置いといてや」
ルーチ「ええかもしれませんな、フォークダンス」
ニブロ「日本人、フォークダンス気に入るやろか。気に入るに決まってるよな」
ルーチ「日本には盆踊りっちゅうのがあるみたいやから、みんなで踊る下地はあるんとちゃいますか」
ニブロ「そうやんな。まあ、万一連中が気に入らへんゆうても、うちら天下のGHQやから…」
ルーチ「あんた、めっちゃ悪い顔になってまっせ」
ニブロ「奥さんに”フォークダンスもええ加減にせえ”言われてるけど、仕事にしてしもたら…」
ルーチ「そういう魂胆かいな」
ニブロ「いや、人格者と言われる私が娯楽に飢えた日本人の生活の質を向上させんと…」
ルーチ「苦しいで」
ニブロ「閑話休題」
ルーチ「四文字熟語で逃げたな。で、なにを教えますねん」
ニブロ「”マイムマイム”はどうやろか」
ルーチ「ああ、踊りながら”レッセッセ”いうやつでんな」
ニブロ「いや、それは違う。”ベッサソン”や」
ルーチ「ええ!? そんなん聞いたことあらしまへんで」
ニブロ「あんた関西出身やな」
ルーチ「この会話でわかりますやろ。それ以外のどこに聞こえますねん」
ニブロ「あの歌詞は、”Mayim mayim … be-sasson” やから、日本語やと”ベッサソン”や」
ルーチ「ほんまでっか?」
ニブロ「ほんまもほんま。ちょっと解説してもええ?」
ルーチ「したいんやな」
ニブロ「あれは旧約聖書の預言書、イザヤ書の”U’sh’avetem mayim be-sasson Mi-ma’ayaneh ha-yeshua”をそのまま歌詞にしてるねん」
ルーチ「どういう意味ですのん」
ニブロ「訳すると”あなたがたは喜びをもって、救いの井戸から水をくむ”やな。ヘブライ語で “mayim”は「水」、 “be-sasson”は「喜びのうちに」や」
ルーチ「ほう、ようご存知ですな。こら、ちらちらiPad見るの止めなはれ」
ニブロ「なんのお話かな」
ルーチ「まあええわ。マイムマイムの正しい歌詞は国民的疑問やもんね。知っているようでよう知らへんという」
ニブロ「やろ?」
ルーチ「で、振り付けはどないしますの」
ニブロ「あ、それはもうちょっと後に…」
ルーチ「後、ってどういうことですねん」
ニブロ「あんた、オレと交代することになってるやん?」
ルーチ「まあ、ニブさんの後任は私やけど」
ニブロ「’48年にあんたが私の後任の主任教官になって、その後や」
ルーチ「予言でっか?」
ニブロ「’51年、東方からラリーゆう男が来りてマイムマイムを教えるであろう」
ルーチ「ホンマでっか!」
ニブロ「と、日本フォークダンス連盟の資料に書いてある」
ルーチ「それで、そのラリーからあの踊りを!」
ニブロ「いや、みんなが知ってるあの振り付けはもうちょっと後や」
ルーチ「それはいったい…」
ニブロ「イスラエル人女性グーリット・カドマンさんの来日を待て」
ルーチ「いつですのん」
ニブロ「1963年」
ルーチ「いま、iPad見ましたな」
ニブロ「”振り付けは、現地の踊り方をそのまま日本で指導し定着させたものである”、へえ~」
ルーチ「iPad 隠さへんようになったな」
ニブロ「まあ、それで国民的フォークダンスになったわけやな」
ルーチ「60 年代って、政治とか労働運動方面の人らがようフォークダンスとかやってましたから」
ニブロ「マイムマイムの大々的な普及は、時代の動きにも合うてたいうことやな」

フォークダンスは第二次世界大戦後、日本に紹介され瞬く間に各地に伝播しました。マイムマイムもそのひとつとして、他の曲とともに人々の間に広く浸透していきました。
マイム・マイムは1951年にラリー・キースリーが教えたとされています(日本フォークダンス連盟)。
『マイム・マイム』の原題は “U’sh’avtem Mayim(あなた方は水を汲む)”です。「シオニズム運動(ひと言でいうと、ユダヤ人がイスラエルの地に故郷を再建しようとする運動)」によって現在のイスラエルに戻ってきたユダヤ人が「国を建て、新しい息吹きのもとに未開不毛の地に希望の「水」をひいて開拓にはげむ喜び」をあらわした歌であるとされています。
歌詞のサビである”Mayim mayim be-sasson”は、水源の乏しい乾燥地に入植した開拓者たちが、水を掘り当てて喜ぶさまを表したものです。
なお、上の登場人物ニブロとルーチはいずれも実在のCIE主任教官(ニブロの後任がルーチ)ですが、会話は完全にフィクションです。念のためお断りしておきます。
このことも含めて、このエントリはWikipediaなどを引用・参考に作成した想像妄想憶測です。誰かに話しちゃダメですよ。

下の動画からは、民衆が掘り当てた水(井戸)の周りで輪になって踊り、井戸に駆け寄る様子が表現されているのを見ることができます。
マイムマイムの正しい踊り方

散髪しました。

散髪しました。行ったのは、いつもの1,000円のところです。この店はこの価格帯のリーディングカンパニーで、個人経営のところと違って、切ってくれる人の当たりはずれが少ないので気に入っています。
今日は、これまでも切ってくれたことがあるbarberさんでした。顔に見覚えがあります。改めて名札を見ると「谷〇」さんとあります。手帳巻末の散髪ログ(過去に、いつ、どこで、誰にカットしてもらったかを一覧できるように記録しています)を見ると、5つ★の人でした。いま、ちょうど前の人をカットしています。ハサミの音がリズミカルです。期待できます。いや、期待してますよ谷〇さん。

店は空いています。店前に赤黄緑のサイン灯があって待ち時間を教えてくれる仕組みです。ランプは黄色でした。店内には入ると、外国人が2人待っています。スタッフは谷〇さんを入れて2人です。10分ほどで順番が回ってきそうです。
店に入って自販機で利用券を買います。かつては1,000円札しか使えずおつりも出ませんでした。最近は10,000円札も使えて、当然おつりも出てきます。地味に進化しています。私はこういう作り込みに気づくとうれしくなりです。席に座るとガラスごしに店前のランプが見えます。私が着席することで赤色に変わりました。席をずらすふりをして腰を浮かせると黄色に戻ります。おもしろいです。立ったり座ったりして点滅させてみたい衝動にかられましたが、迷惑だしみっともないので止めました。

鏡の前に案内されます。
利用券を谷〇さんに渡します。
眼鏡を預けて、席に座ると、谷〇さんが名乗ります。
「今日担当させていただく谷〇です」
はいはい、知ってますよ。お世話になるのは3回目です。よろしくお願いします。とは言いませんでした。軽く会釈します。

「今日はどうしますか」
―1か月分ぐらい切ってください。あとはお任せします。
「横は刈り上げますか」
―お願いします。できればバリカンでなくハサミで。
「わかりました」

女性とおしゃれ男子には意外かもしれませんが、男性の散髪前の会話はこの程度です。次に言葉を交わすのは切り終えた後の確認です。
谷〇さんは、前回の黒髪さんと違って盛大にスプレーして髪を濡らしからクシを入れます。どちらかというと、こちらの方が丁寧な感じです。ただし1,000円店ではカット後に髪をシャワーで流さないので、あまり濡らされると「掃除機」で吸い取れなくなってしまいます。どっちもどっちです。
さてカットは、その後右サイドから時計回りに切っていきます。このお店では全国どこでもこれです。
後頭部を回って左までスソを刈っていき、戻りながら真ん中らへんを切っていきます。
この後「今回も」申し訳程度に頭頂部にハサミをいれるとメインの工程は終わりです。ここまで一息に済ませます。
後は、スキバサミで横と後ろを何回かザクザクして、細かなところをバリカンで整えると完成です。
谷〇さんは、ハサミを置き、まるい鏡を手に取って後ろを見せながら、
「よろしいですか」
と言います。もちろん、よろしいです。
ていうか、散髪屋さんのお客でこの時にあーしてくれこーしてくれと言う人はいるのでしょうか。私は、「よろしいですか」「はい」がセットになった、いわばお作法のひとつだと思っているので、すなおにそう答えます。今回は、気持ちに偽りやわだかまりが無いのが幸いです。

この店の最大の美点は、ここまで10分以内であることです。
このために、顔そりも、先ほども書いたようにシャンプーもありません。
切る前の相談もごく短く、カット中、無駄におしゃべりすることもありません。
カットが終わったら、髪を掃除機のようなものでガーッと吸い取って終わりです。
この時、注意してみていると、谷◯さんも掃除機を巧みに使って手櫛でセットのようなことをしています。ありがたいです。
いつも時計も見ていますが、今日も店を出るまでおよそ10分間でした。夢のようです。

今回も気になったことを書いておきます。
前は、頭頂部ももう少し切ってくれたように思うのですが、最近は上に書いたように申し訳程度にハサミを入れるだけになりました。今日も同じです。そういえば、スキバサミも以前は頭頂部を訪れていたように記憶していますが、最近頭の上にそれが来ることが無くなりました。
いよいよ必要なくなってきたんだろうな、と思っています。

仕上がりは今回も5つ★でした。最後に書くと付けたしのようですね。すみません。

ところでこのいつもの1,000円のところは、ついに1,350円になりました。値上がりは財布に厳しいけど、個人的には納得しています。このリーディングカンパニーにして人手不足は免れていないようだからです。期間を決めて休業していると聞いたので、店長とおぼしき人に理由を聞くと「他の店に行っています」ということでした。
理美容店は必ず必要です。そこで働く人が集まらない理由が給与にあるとしたら、しっかりと手当できるだけの料金を支払い、受け取る必要があると思います。偉そうなことを書きましたが、私はここがもし2,000円になったら散髪の間隔を空けるかもしれません。

何を言っているのでしょうか。すみません。

散髪しました。

散髪しました。行ったのは、いつもの1,000円のところです。この店はこの価格帯のリーディングカンパニーで、個人経営のところと違って、切ってくれる人の当たりはずれが少ないので気に入っています。
今日は、妙齢の女性barberでした。存在感のある黒髪のおかっぱロングで、最初ちょっと引きました(ああ、これでどの店に行ったのか、書けなくなりました)。

店は空いています。店前に赤黄緑のサイン灯があって待ち時間を教えてくれる仕組みです。ランプは緑でした。ぜんぜん待たずに切ってもらえるようです。
店に入って自販機で利用券を買うと、すぐ鏡の前に案内されます。
利用券を黒髪さんに渡します。
眼鏡を預けて、席に座ると、黒髪さんが名乗ります。
「今日担当させていただく〇〇です」
黒髪すげー、とか思っていて名前を聞き漏らしました。不覚です。

「今日はどうしますか」
―1か月分ぐらい切ってください。あとはお任せします。
「はい」

散髪前の会話はこの程度です。次に言葉を交わすのは切り終えた後です。
黒髪さんは、特にくしを通すわけでもなく、いきなりサイドから切り始めます。別に彼女が特別なわけではありません。このお店では全国どこでもこれです。
右から後頭部を回って左までスソを刈っていき、戻りながら真ん中らへんを切っていきます。
この後、申し訳程度に頭頂部にハサミをいれるとメインの工程は終わりです。ここまで一息に済ませます。
後は、スキバサミで横と後ろを何回かザクザクして、細かなところをバリカンで整えると完成です。
黒髪さんは、ハサミを置き、まるい鏡を手に取って後ろを見せながら、
「よろしいですか」
と言います。もちろん、よろしいです。
ていうか、この時にあーしてくれこーしてくれと言う人はいるのでしょうか。私は、「よろしいですか」「はい」がセットになった、いわばお作法のひとつだと思っているので、すなおにそう答えます。

この店の最大の美点は、ここまで10分以内であることです。
このために、顔そりもシャンプーもありません。
切る前の相談もごく短く、カット中、無駄におしゃべりすることもありません。
カットが終わったら、髪を掃除機のようなものでガーッと吸い取って終わりです。
この時、注意してみていると、掃除機を巧みに使って手櫛でセットのようなことをしています。ありがたいです。
時間を計ったら、店を出るまで本当に約10分でした。
以前、自宅近所の雰囲気のある美容院に通っていた時は3時間ぐらいかかっていました。それで5,000円ぐらい払っていたので、夢のようです。

今日、ことさらに気になったことを書いておきます。
前は、頭頂部ももう少し切ってくれたように思うのですが、最近は上に書いたように申し訳程度にハサミを入れるだけになりました。今日も同じです。そういえば、スキバサミも以前は頭頂部を訪れていたように記憶していますが、最近頭の上にそれが来ることが無くなりました。
必要なくなってきたんだろうな、と思っています。
いや、それだけです。すみません。

第34回社会福祉士国家試験合格発表

今日は第34回社会福祉士国家試験の合格発表でした。

受験者36974名
合格者16338名
合格率44.2%

合格ラインは90点でした。

近年見たことがない高い合格率です。
昨年の低合格率で関係団体が申し入れをしたのが効いた、のかどうかは知りませんが、今回これだけ高くなったことについてもさまざまな受け止めがあるようです(実際に聞いた話)。

実際に受験した人の印象では「ボーダーだと言っていた人はほとんど救われたんじゃないか」らしいです。
ともあれ、みなさん合格おめでとうございます。
いいソーシャルワークをしましょう。

ソーシャワークにChatGPTを使う場合の倫理問題について written by ChatGPT

ChatGPTに「ソーシャワークにChatGPTを使う場合の倫理問題について教えて」もらいました。

以下、ChatGPT先生の出力です。

***引用ここから
ソーシャルワークにおいてChatGPTを使用する際には、いくつかの倫理的な問題が考慮される必要があります。以下にいくつかの考慮事項を挙げます。

機密性とプライバシーの問題:ChatGPTを使用する場合、クライアントの情報がネットワーク上に送信され、ChatGPT自体に保存される可能性があります。したがって、倫理的なガイドラインに従って、クライアントの機密性とプライバシーを確保するために、通信の暗号化やセキュリティの強化が必要になる場合があります。

人工知能による判断の信頼性の問題:ChatGPTは、プログラムされたアルゴリズムに従って、自動的に応答を生成します。しかし、その応答がクライアントの問題を適切に解決するかどうかは保証できません。また、ChatGPTが偏った応答を生成する可能性があるため、プロフェッショナルの判断と検討が必要です。

クライアントの人間らしさの問題:ChatGPTは人工知能であり、クライアントとのインタラクションが人間らしくないことがあります。それによって、クライアントにとって応答が難解である可能性があります。また、ChatGPTが自動生成した応答によってクライアントが混乱したり、誤解を招いたりする可能性があります。

 ChatGPTの倫理的問題:ChatGPT自体には、倫理的な問題が存在する可能性があります。たとえば、ChatGPTによって生成された応答が、人種差別的、性差別的、あるいは不適切な言葉を含む場合があります。このような場合、倫理的な観点から、応答を修正する必要がある場合があります。

ソーシャルワーカーがChatGPTを使用する場合、これらの問題を考慮し、適切な対応策を講じることが重要です。クライアントの権利やプライバシー、応答の適切さに対して常に注意を払い、職業倫理に基づいた行動を取ることが必要です。
***引用ここまで。

ありがとう、ChatGPT!

ソーシャルワーカーがChatGPTを利用する際の倫理問題について

先日、ChatGPTの安定版がリリースされました(2月13日)。
ChatGPTは昨年公開されて大きな話題になりましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
そんなChatGPTを触っていていろいろと考えることがありましたので、今回の安定版公開を機にそのさわりをお話しようと思います。

ChatGPTとは、ウィンドウに会話形式のテキスト(例「〇〇について教えてください」等)を入力すると、それに対する答えを返してくるAIを利用したサービスです(あまりに大雑把すぎて、自分で読み返してもツッコミどころ満載な説明です)。
もうちょっとだけ付け加えると、ChatGPTは質問に答えるだけでなく、翻訳や、入力した文章を指定した文字数で要約したり、簡単なプロットから小説を書いたりすることなど、さまざまなことができます。

ChatGPTに「社会福祉士の倫理について教えて」と入力すると、次のような回答が表示されます。

”社会福祉士の倫理とは、社会福祉士が守るべき倫理的原則です。特に、その仕事においてクライエントの尊厳を尊重し、公正かつ無私に仕事をし、クライエントとの関係を大切にすることが重要です。また、専門的な知識や技能を持ち、法律や社会福祉に関わるガイドラインを守ることも大切です。また、クライエントのプライバシーを尊重し、クライエントを尊重した上で業務を行うことも重要です。“

まあ、そのとおりでしょう(お、おう)。こういう文章を生成してきます。

その内容もそうですが、人間が読んで違和感の少ない文章になっていることにもご注目ください。これがChatGPTの特徴のひとつです。

こうした特徴もあって、今後ChatGPTは、レポートや議事録の作成、文章のチェックや校正にどんどん活用されるようになると思います。
私が個人的に期待しているのは、音声から自動で起こした文字原稿のケバ取りをやってくれることですが、これについてはまた改めて書きます。

しかし、いいことばかりではありません。
ChatGPTは、今のところ入力された問いに必ずしも正確な回答を返すわけではありません。だから”知らないことを検索しているのに、回答を検証する知識が必要になる”というパラドックスが生じます。これはインターネットで調べものをするときにも起っている問題がChatGPTでも起こっているということに過ぎないのかもしれません。もっとも、この問題は今後ChatGPTが賢くなっていくにつれて軽減されるのではないかと思います。

さて、ここまで長い前振りでしたが、本題に入ります。
ソーシャルワーカーがChatGPTを利用してクライエントの課題を解決しようとする場合には、これとは異なる問題が生じる懸念があります。それは、予期せぬクライエントの情報流出が起こりうることです。

ChatGPTから実際の支援に利用できる具体的な回答を引き出そうとすれば、得たい回答に応じてケースの情報や課題を詳細に入力する必要があります
詳細な情報とは、たとえば、クライエントの年齢、性別、障害や介護の状態、家族に関することなどです。
また、社会福祉には自治体や団体固有のサービスが数多くあります。そうしたことについても回答を得たい場合は、クライエントが居住する地域などについても具体的に入力することになるでしょう。

懸念とは、ChatGPTがこうしたプライバシーに関する情報の保護について充分配慮していない可能性があることです。
ChatGPTにその配慮がまったく無いか不充分な状態でソーシャルワーカーがクライエントのプライバシーに関する情報を入力すれば、それがChatGPTの学習のために利用され、別の思わぬところで出力されてしまうかもしれません。
これはChatGPTが転移学習(ある問題を解決する際に得た知識を蓄積し、関連する別の問題にそれを適用する機械学習の仕組み)を行うため、構造的に避けがたいようです。

この問題を回避するには、ChatGPTの処理プロセスに、個人情報やプライバシーに関する情報をフィルタリングする機能を付加するなどの手立てを講じる必要があります。しかし、それが現在のChatGPTに実装されているかどうかはわかりません(ヘイトなど公序良俗に反することについては一定の規制があるようです)。

もし、すでにこうした機能が実装されていたとしても、ソーシャルワークに利用できるような高い次元の個人情報やプライバシーに関する情報の保護が実現されているか否かは、別に検証する必要があると思います。

私たちソーシャルワーカーに当面できる対策は、ChatGPTを利用する時にそうした情報を入力しないことだと思います。
実はさほど気にすることはないのかもしれませんが、多くの人が言うように情報は漏洩すると取り返しがつきません。今は、慣れ親しんだGoogle検索を使う時とは違う配慮をした方がよさそうです。

ChatGPTとそこで使われている技術は、とても有効で魅力的です。
この技術は、今後のコンピューティングを大きく変える可能性があります。
たとえば、今、Googleで検索する時は単語を入力しています。それがChatGPTでは質問は平文で入力できて、回答もレポート形式で返ってきます。
これまでも使いやすいもの、より人間の感覚に近いものはあっという間に普及してきました。
すべての人にとって、平文で入力できて、回答もレポート形式で返ってくるのが当たり前になるのはもうすぐかもしれません。

この一点を取っても、めちゃくちゃ期待できますよね。
マイクロソフトは、エクセルにこうした仕組みを組み込むことを考えているようです。そうすれば魔法の呪文のような関数は覚えなくてもよくなります(たとえば、これまで関数で”=AVERAGE(A1:A20)”と入力していたものが「このセルからあのセルまでを平均して」という感じでOKになるようです)。

今、私たちの目の前では、何年かに1度の大きな変化が起こりつつあります。
なんてすばらしいことでしょう。

一方で、上でお話したように私たちはこの変化に適合した個人情報やプライバシーに関する情報の保護の方法を学ぶ必要が出てきました。
功罪相半ばするといったところでしょうか。

最後に少しChatGPからは離れますが、これ以外にAIがらみで懸念されるのは、チャットボットによるフィッシング詐欺です。
今もチャットで相手のIDやパスワードを聞き出し、アカウントを乗っ取るフィッシング詐欺が横行しています。しかし、今のところこのやり取りはほとんど場合人間対人間で行われていますので、おのずから詐欺行為が仕掛けられる数には限界があります。
しかし、この技術を使ってチャットが自動化されると、疲れを知らない詐欺師たちがマシンのように(失礼。本当にマシンでした)フィッシングしまくることになります。
こうしたテクノロジーの変化やそこでクライエントに起こる可能性がある悪影響を想像すると、ソーシャルワーカーは、デジタルは得意じゃない、知らなかった、と言って済まされる仕事ではなくなったなあと改めて思います。

これらの問題は、引き続きフォローアップしていこうと思います。

テキストのコピーはできません。